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- 知っていれば日本人に好印象!オフィス訪問時のマナー基本編
日本のお客さんやビジネスパートナーなどを訪問するときに、様々なビジネスマナーがあるのをご存じですか?それを聞くと、ややこしいなとか、面倒だなと思うかもしれませんね。日本企業への営業に慣れている私でさえ、時々堅苦しいなと思ってしまうほどです。しかしこれを知っておくことで、先方は、きっと下記のように思ってくれるでしょう。
日本のビジネスマン
・日本の商習慣を理解しているので、これから何か問題が起きても、理解しようと努力してくれるかもしれないな。
・こないだ来た他の海外企業(あなたの競合)の人たちより、ビジネスマナーを知っているので、より好感が持てるな。
また逆に外国人だからそんなルールは知らなくていいという態度は、礼儀をとても大事にする日本人には受け入れがたいものです。もちろん、文化が違うからと、相手がイレギュラーを受け入れてくれる場合もあります。しかしあなたが商談をうまくいかせたいのなら、あらゆる日本のビジネスパーソンに好感持ってもらうことが重要です。これからお伝えする事柄はオフィス訪問時のビジネスマナーの基本編です。
これは当たり前のことですが、日本は特に時間に厳しい国と言われているので注意が必要です。ちなみに3分電車が遅れただけで、電車内に謝罪のアナウンスが流れるほどですから。約束した時間を守らない人は、信用できない人だという印象を与え、今後のビジネスに大きなダメージを残します。
約束した時間の3分~5分前には、現地到着しているようにしましょう。しかしどうしても何かの事情で遅くなってしまうときは、約束した時間の前に必ず遅れてしまうことを電話で伝えましょう。
先方と対面をした後にコートを脱ぐと、先方に待たせてしまい、洗練されていない印象を残します。また外のほこりや花粉などを訪問先にもちこまないという配慮も必要です。
しかしスーツのジャケットは着たままで大丈夫です。入室許可を得る前に、コートを脱いで準備をしていることは失礼とは思われないので、心配しないでください。また帰るときにコートを着るタイミングも、建物の外に出てからが一般的です。
日本では、靴を脱がなくてはいけない場合が意外と多くあります。それはレストランであったり、オフィスであったり様々です。その時、裸足で入る、もしくは裸足のままスリッパをはくのは不衛生に見えて印象がよくありません。またネクタイと同じように、靴下の色もあまり派手だと、話のネタになる可能性もありますが、一方で見慣れずに、違和感を覚えてしまう人もいます。穴の開いていない、黒や紺色の靴下をもっておくのがベターです。
訪問先のオフィスでは、すぐに席に座らずに、ホストから「どうぞお座りください」と言われるまで立っているのがベターです。また彼らのスタッフから会議室へ案内され、お座りくださいと言われた場合には座って待っていてもかまいませんが、商談相手の足音が聞こえたら、すぐに立って出迎えましょう。
相手と対面した時は、握手よりもお辞儀をすることが一般的です。またお辞儀の仕方には、その人の 品格が表れると言われています。しっかりとしたお辞儀ができる人は、「礼儀正しい人」としてかなり好印象を持ってもらえます。お辞儀には、さまざまなシチュエーションでふさわしい角度が決まっており、初対面の人と会うときには、上体を30度傾けるのが良いとされています。歩きながらのお辞儀は、失礼にあたるので、一度立ち止まってからやりましょう。
日本のビジネスの基本となるのが名刺交換で、非常に重要な儀式です。また名刺交換方法を間違えると、相手に不快な思いをさせてしまう可能性も大いにあります。
あなたが上司と一緒に訪問をしているときは、上司から渡してもらうようにします。 また相手が複数人いるときは、一番役職が高い人に渡します。 外袋は汚れがついている可能性があるので、袋から出して渡し、袋は持ち帰るのがマナーです。 しかし大きいお土産などで、袋があった方が相手が持ち運びしやすい場合には、「袋のままで失礼します」と一言添えて渡しましょう。
ふくろのままで、しつれいします。
訪問先の会議室に案内されたら、どこでも好きなところに座っていいわけではありません。基本的なルールがあります。それは、出入り口に1番遠い場所が、上座(Kamiza)と呼ばれ、お客様、年長者、目上の人が座る場所となっていることです。なぜなら、出入り口から遠いので、人の出入りが少なく落ち着いた良い場所とされているからです。あなたが訪問する場合には、彼らがもてなす側になり、あなたがお客様になるのできっと出入り口から遠い奥の席を勧められるでしょう。ちなみにこの場合は、実際にはどちらが売り込む側であるかなどは関係ありません。その時は「奥失礼します」と言うと、あなたは丁寧な人だと思われ、好感度が上がるでしょう。また出入口に1番近い場所が、下座(Shimoza)と呼ばれ、立場が下の人が座ることになっています。この場合、訪問先の人が座ることになります。
おくしつれいします。
日本以外の国では、商談中に足を組むことに違和感を持つことがないかもしれません。 しかし日本では足を組むのは、横柄な態度と捉えられるので、絶対にやめましょう。何にせよ、日本では丁寧さ、謙虚さが1番です。
あくびは生理現象なので、あくびをするなと言っても不可能なことも多いでしょう。特に長距離の移動で疲れていたり、時差ボケで寝不足だったりした場合にはなおさらです。しかし日本では、商談中にあくびをすることは、失礼にあたります。実際にはそうでなくても、先方はあなたのあくびを見て、「商談がつまらないのかな」「集中してないのかな」と思い、不快に思う人も多いでしょう。
1番良いのは、あくびをしそうになったら、できるだけ口を開けずに堪えることですが、もし口が開いてしまったら、手で隠すなどしましょう。そして一言「すみません、寝不足であくびが出てしまいましたが、会議は集中しているので心配しないでください」というと、相手も安心するでしょう。
商談が終わり、先方とエレベーターの前で別れるときは、エレベーターのドアが閉まるまで、頭を下にして腰を曲げ続けて静止します。この時は途中で頭をあげません。
またエレベーターの中で、同行した同僚と今回の商談の件、会社のことなどを話すことはやめましょう。同乗者にその会社の関係者がいる場合もありますので、話している内容がよく聞こえずに、悪口を言っていたようだなどと、悪いうわさが広まっては致命的です。ビルを出るまで、会話は控えましょう。
日本だけでなく、一般的なビジネスの場においても必要になってくるのが、においに関するエチケットです。 特に昼食後などに商談がある場合には、ニンニク料理などは控えた方がよいかもしれません。
また、香水はつけすぎないように注意しましょう。 香水というのは、それぞれの国の気候に合わせて、においが長持ちするように作られています。例えば日本と逆で湿度が低い国で使われる香水はすぐに蒸発をしてしまうので、においをきつめにしていると言われています。逆に日本は湿度が高いので、においは弱めに作られています。つまり、日本人にとって海外の香水は匂いがきついと思ってしまうこともよくあります。したがって、もし香水をつけるならば、つけすぎないように注意するか、日本の香水をつけることをお勧めします。とくに湿度が高い6月~8月は、香水を少しつけただけでもにおいがきついと感じられてしまうので、この季節の日本では、つける分量に気を付けましょう。
以上が先方のオフィスで守るべきエチケットです。沢山ルールがあり、覚えきれないということもあるでしょう。 しかしこれがきちんとできれば、彼らに、日本のビジネスマナーを知っているのですねと言われるかもしれません。そう言われたら、こう返答しましょう。
「あなたたちに安心してもらえるように、日本のビジネスカルチャーを勉強してきました。ほかに守るべき事柄があれば教えてください」
こう言われれば、先方はあなたにリスペクトされていると感じ、そしてあなたへの信頼はゆるぎないものになるでしょう。ぜひ覚えておいてください。
まとめ